お知らせ・コラム
2025/12/24 10:42
よく聞く 番茶(ばんちゃ) って何?
京都でお茶の話になると、必ずといっていいほど登場する言葉があります。それが 「番茶」。「うちは番茶ばっかり飲んでるで。」京都で暮らし始めたばかりの頃、この言葉を聞くたびに「それって何のお茶?」と頭の中が“?”でいっぱいになりました。
実際に聞いてみても、人によって答えが微妙に違う。
京都のお茶の歴史は800年以上。用語の使い方に幅があるのも当然なのですが、当時は本気で混乱していました。
そこで、和束の茶農家さんに教わったり、文献を調べたりしながら、桶力茶店としての「番茶」の説明を決定版として整理しました。

京都府の茶業統計では、番茶はさらに細かく4分類されますが、日常会話ではここまで知られていないのが実情です。
「番茶とは?」
一番茶・二番茶の“収穫シーズンから外れた”時期に行う、発芽のための茶刈りで出る葉と茎のこと。
茶畑の茶刈りには、実は2種類あります。
・収穫のためのお茶刈り(新茶・二番茶など)
・次の芽を揃えるためのお茶刈り(刈り直し・刈り落とし)=番茶
特に6月頃の「刈り直し」作業の際に刈られる葉と茎、「刈り直し番茶」が和束町ではほうじ茶として使用されています。お客様にこの話をすると、多くの方が「そんな作業があったんだ…!」と、一気にお茶づくりへの興味が深まるようです。
「なぜ“刈り直し”が必要なの?」
一番茶を刈り取った後、遅芽や残芽がそのまま残っていると、夏に収穫する二番茶に混ざってピュアな品質ではなくなるため、もう一度、チャノキを刈り直す。これが刈り直し作業が必要とされる理由です。(※地域や生産方法によって多少差はありますが、概ね以下の流れです)
5月:一番茶(新茶)…収穫
↓
6月:刈り直し…番茶
↓
7〜8月:二番茶…収穫
↓
9月:刈り落とし…番茶

※一番茶を刈り取った直後の残り芽や遅れ芽。この部分が約1か月後に収穫されて「刈り直し番茶」となる。

「ややこしさの正体」
番茶という言葉は、人によって文脈によって指すものが変わります。(どれも間違いではありません)
・番茶=ほうじ茶(ニアイコール的な表現)
・「番傘」由来説
・“京番茶”という焙じ茶ジャンル
・生産用語としての番茶(今回の説明)
このため“番茶”というワードを聞くたびに「どの番茶を指してるんだろう?」と、注意しながらお話しを聞いています。和束のほうじ茶を専門に扱う桶力茶店としての説明は
「一番茶・二番茶とは別の“番外の時期”に刈られるお茶、それが番茶。」です。
まずはこれを押さえていただければ大丈夫です。
番茶の特徴や、ほうじ茶との関係(なぜ番茶=焙じる文化なのか)など、もっと深い話もありますが……、それはまた別の投稿でゆっくりお話しします。