お知らせ・コラム

2026/06/11 10:27

今日は、和束町のほうじ茶が美味しいと云われる特別な原料の話。

当店にお越しになるお客様には、ご購入前に複数種類のテイスティングをしていただいています。そこで多くのお客様が、普段飲んでいるほうじ茶とは「香りの豊かさや味わいのコクが全然違う!」と驚かれますが、その秘密は使用している原料にあります。

和束町のほうじ茶づくりでは、昔から「刈り直し番茶」と呼ばれる特別な原料が使われてきました。刈り直し番茶とは、一番茶を収穫した数週間後に行われるお茶刈り作業によって収穫される少し硬くなった葉と茎のことです。

まず知っておくべきは、この作業は茶葉の収穫が目的ではないということ。実は、一番茶のお茶刈りで刈り漏らした葉っぱ(遅芽や残芽)を刈り直すことで、二番茶の収穫時に時間の経ちすぎた茶葉が混ざらずに、ピュアな状態でお茶を作るための準備作業なのです。

※写真は一番茶を刈った直後のお茶の木で、遅れ芽や残り芽の様子がご覧いただけます。

あくまでの二番茶の準備作業として行われている「刈り直し」ですが、ここで採れたお茶は一番茶と同じくらい美味しい成分の詰まった特別な原料なのです。ところが、宇治茶産業において「刈り直し番茶」は抹茶や煎茶に比べて低い価値の原料として市場取引されているため、この原料を大量に生産する生産者は減少傾向にあり、あくまでも自宅用やご近所さんに配る分だけ少量収穫しているというのが和束町で聞かれる現状です。

和束町で家庭で飲むお茶、日常的に飲むお茶として受け継がれてきた「刈り直し番茶」を原料とするほうじ茶文化。私たちがほうじ茶専門店として大切にしているのも、まさにこの日常茶としての品質です。


インスタグラムでは、ショート動画で刈り直し番茶をご説明しています。https://youtube.com/shorts/tqAIhR54T90?si=qAFTBnykTaoU_iK2